@mameknits

ひつじ丸な日々 2nd stage

三分一湧水

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ゆく河の流れは絶えずして

しかももとの水にあらず。

 

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淀みに浮かぶ泡(うたかた)は

かつ消えかつ結びて

久しくとどまりたるためしなし。

 

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世の中にある人と栖と

またかくのごとし。 

 

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知らず、生まれ死ぬる人

いづかたより来たりて

いづかたへか去る。

 

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また知らず、仮の宿り

誰がためにか心を悩まし

何によりてか

目をよろこばしむる。

 

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その主と栖と、無常を争ふさま

いはば朝顔の露にことならず。

 

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或は露落ちて、花残れり。

残るといへども

朝日に枯れぬ。

 

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或は花しぼみて、露なほ消えず。

消えずといへども

夕を待つ事なし。

 

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- 方丈記